metropolis

ヘビーにしてクール
だけどキュートなガールズバンド


女の子3人によるロックバンド、ヌードルスが2007年にリリースしたアルバム。

ヌードルスに出会ったのはもう4,5年前になるのだけれど、
もう最初に聴いた1曲目からずっと僕は彼女たちに恋してる。
バンド名からなんとなく想像がつくかもしれないが、オルタナ志向の強いバンドで、サウンドはすごくヘビー。
ガールズバンドにありがちな“媚び”がない、とてもクールなバンドだ。

メンバーはYOKO(ボーカル&ギター)、IKUNO(ベース)、AYUMI(ドラム)。
結成は1991年なので、キャリアはかなり長い。
実は元々は4人編成(もう1人はギター)で、04年に3人になった。

僕が最初に買った『GOD CABLE』は4人時代の最後のフルアルバムで、
今よりもスケールの大きな楽曲が多く、あえて悪く言えばちょっと欲張っている感じもあった(もちろん大好きなアルバムなのだけど)。

だが、3人になったことが、逆にヌードルズに進化をもたらす。
良い意味で音が軽くなってバラつきがなくなり、ギュッと凝縮されたような曲が多くなった。
3人になって最初のアルバム『ivy』は、『GOD CABLE』以上にロックで、且つポップな仕上がりになっている。

その後『Cover me Shakespeare』を挟んで、この『METROPOLIS』である。
全11曲というボリュームを持ちながらも、ものすごい疾走感が感じられるアルバムだ。
とにかくギター、ベース、ドラムの一体感が気持ちいい。
3つの音がひとつの塊になって突き進んでいるよう。

この一体感や凝縮感は円熟味などではなく、むしろ若さや純粋さを感じさせる。
キャリア18年。“ロック”という重力芯によって攪拌され、
余分なぜい肉が削ぎ落とさたバンドが奏でるピュアなサウンド、
それがこの『METROPOLIS』だ。

ヌードルスは英語詞の曲が多いのも特徴。
『METROPOLIS』でも4曲が英語詞である。
ボーカルYOKOの歌う英語はかなり舌足らずなのだけれど、それが妙にしっくりくるから不思議だ。

そもそも彼女の歌声は、シャウトはおろか声を張ったりするところがなく、喋り声に近い。
普通の女の子の声が、ギターやドラムの重い音の上に乗っかって、
不安定になるかと思いきや、その点も絶妙なバランスでしっくりしてしまうのである。

“喋り声ボーカル”というとパッと思いつくのは元スーパーカーフルカワミキ
ただし、フルカワミキの場合は彼女の声が周りから浮いているところ、
つまりサウンドと「しっくりこない」ところが魅力だった。
それゆえ、フルカワのボーカルは物憂げでどこか心細さのある空気感が持ち味だったが、
YOKOの場合はその逆。
サウンドと寄り添いながらあくまでポジティブで可愛く、
それでいて喋り声だから居心地のよさを聴く者に与える。


ヌードルスが所属する「デリシャス・レーベル」のレーベルオーナーはthe pillows山中さわお
彼の、ロックとポップにオルタナをまぶしたようなセンスが好きな人は、ヌードルスもきっと気に入るはず。

実はこの後に出した『SNAP』というミニアルバムが
2009年1月時点でのヌードルスの最新アルバムになるのだが、
こちらは若干ハードな手触りのアルバムなので、
最初にヌードルスに入るならこの『METROPOLIS』がポップでおすすめである。








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