音楽・本・映画を中心に、個人的に思い入れのある作品だけをひたすら紹介してきたこのAnother Morningは今回で50回目になりました。

 これまでのところ、圧倒的に多いのが「music」の記事です。特に3月12日に投稿した「THE TING TINGS 『WE STARTED NOTHING』」以降の記事では、ラストになるべくYouTubeへのリンクを貼るよう心がけてきました。実際の音を聴くことで、「なるほど!」と感じてもらえたり、なかには「本文の印象と音が違う」なんていう風に思ったこともあるかもしれません。

 そこで、50回目記念に趣向を変えて、というほどでもないのですが、今回はYouTubeのリンクを貼っていなかった3月12日より過去の記事に関して、「実際の音」をまとめて載せてみたいと思います。


08,12,29 Duffy 『ROCKFERRY』(記事を読む
アルバムタイトル曲<ROCKFERRY>を歌うDuffy

 このアルバムを聴き直してみると、デビュー間もないとは思えない彼女の存在感の重さを改めて感じる。映像を見てもらうとわかるのだけれど、この垢抜けてない感じがとても好感が持てる。今年のグラミー賞において最優秀ポップ・ボーカル・アルバム賞を受賞。

09,1,19 the sugarcubes 『life’s too good』(記事を読む
本文でも触れた彼らの代表曲<birthday>

 どんなに「好きだ」と言っても足りないくらい大好きな曲<birthday>。iPodをシャッフルモードで聴いていて、この曲がかかるといつもビクンとしてしまう。ソロとなってしまった今、こんなバンド感溢れる曲は、もう聴くことはできないだろう。

09,2,2 the pillows 『PIED PIPER GO TO YESTERDAY』(記事を読む
「PIED PIPER TOUR」ディスクに収録された未発表曲の<Melody>

 どうでもいいことなんだけど、この会場のどこかにtheatre project BRIDGEの役者、渡邉香里と渡邉優子姉妹がいるはずです。さらにどうでもいいことなんだけど、このディスクの特典映像に収録されている、9,21のZepp Tokyoでのアンコール時、ボーカル山中さわおが発した「いやあ、この世に音楽があって良かったよ」という一言に、他の観客はシーンと聞き入っているにも関わらず、そんな周囲の空気も読まずに「キャー!」と叫んでいるのは、theatre project BRIDGEの役者鳥居沙菜とスタッフ松野友香です。

09,2,9 相対性理論 『ハイファイ新書』(記事を読む
<地獄先生>PV

 全国のCDショップ店員が選ぶ「CDショップ大賞」の第1回大賞に、相対性理論のデビュー・アルバム『シフォン主義』が選ばれた。今年もっとも注目されるバンドの一つ。

09,2,19 THE VASELINES 『THE WAY OF THE VASELINES ・ A COMPLETE HISTORY』(記事を読む
ヴァセリンズには、本人たちが映っていて、なおかつ質のいい映像がほとんどない。
なので曲だけの紹介。曲は<Molly’s Lips>

続いて、同じ曲をニルヴァーナが演奏しているのがこれ

 カートとコートニーの間に生まれた女の子フランシス。その名前の由来はヴァセリンズのボーカル、フランシス・マッキーである。

09,2,23 くるり 『ワルツを踊れ』(記事を読む
<ブレーメン>を演奏するくるり。オーケストラと一緒というステージングはなんだか少し気恥ずかしいのだが、曲は本当にいい

 ついに今週、最新作『魂のゆくえ』がリリースされた。今回のレコーディングはニューヨークで行われたそう。『ワルツを踊れ』がレコーディング場所のウィーンという土地柄を非常によく体現していたアルバムだったが、果たして今回はどうなるのだろう。

09,2,26 ミドリ 『セカンド』(記事を読む
<ドーピング☆ノイズノイズキッス>PV(画像粗いです)

 先日リリースされたジュディ&マリーのトリビュート・アルバムでは、大塚愛や中川翔子なんかに混じって参加し、<ミュージックファイター>をカバーしていたミドリ。ジュディマリのなかでもアバンギャルドな曲を、ミドリはさらにアバンギャルドにアレンジしていて、当然のことながら他の曲からものすごく浮いていた。だが、原曲の枠内を目一杯使ってもっとも「遊んで」いたのは間違いなくミドリである。ジュディマリ好きの2,30代OLなんかには理解してもらえないだろうが、間違いなく、今もっとも才能溢れるバンドの一つ。

09,3,9  Mates Of State 『Re-Arrange Us』(記事を読む
<Get Better>のPV

 本文で彼らのことを「オルタナなカーペンターズ」と書いたけど、あながち的外れな評価ではないことが、ビデオを見てもらえればわかってもらえる…かな?


 本ブログは元々、僕の所属する劇団theatre project BRIDGEのホームページ内の一コンテンツとして始めたものです。読んでくれている方のほとんどが、おそらく劇団経由でこのブログにたどり着いているんだと思います。

 劇団は今年で結成9年目になりますが、この劇団員のブログコーナーは意外と歴史(?)が長く、確かホームページを立ち上げてからすぐに始めたと記憶しているので、多分6,7年は続いているのではないでしょうか。まだ当時はブログというものがなく、写真も載せられなければコメント欄もない、ただ文字を載せるだけの「ウェブ日記」でした。

 当初は僕も日記を公開していたのですが、何の変哲も無い日常を面白おかしく書く能力に乏しく、そもそも僕個人の日々の生活を公開することに果たして意味はあるのだろうか?と、なんとなくネガティブな気持ちが抜けず、3年ほどは書き続けたものの結局閉鎖してしまいました。

 そういうわけで、昨年末、久しぶりにブログを書こうと思い立ったときも、端から日記を書こうという選択肢はなく、代わりに普段聴いている音楽や、本や映画のことだけを書こうと思ったのです。

 このブログが素敵な作品との出会いのきっかけになればとても嬉しいです。そして、願わくば、「このブログを書いている人間は果たしてどんな作品を作っているのだろう?」と、theatre project BRIDGEの芝居を観に劇場に足を運んでくれたら幸いです。うん、そうなったら本当に嬉しいなあ。