beady eye 1st

BEADY EYE
『Different Gear, Still Speeding』


今年2月にリリースされたビーディ・アイのデビューアルバム。
あのリアム・ギャラガーが率いる新バンドが、
ついに(といってもだいぶ時間が経ってますが)動き出しました。

メンバーはリアム(ボーカル)、ゲム・アーチャー(ギター)、
アンディ・ベル(ギター)、クリス・シャーロック(ドラム)という元オアシスの4人。
メンツだけを見れば、これはもうほとんど“オアシスそのもの”です。
バンド名を変えなくても良かったんじゃないかと思うくらい。
しかし、そうはいかないことは、僕らファンもわかっていました。
なぜなら、ここにノエルがいないからです。

ノエルを欠きながら、残りのメンバーで「オアシス」としての新曲を書いて、
ライブで<Whatever><Rock’n’roll Star>を歌う、なんてことはやはりどこか決定的に違う。
ノエルは単にメインコンポーザーであったという以上に、
オアシスというバンドにとって絶対に欠けてはならない“”だったのです。

だから、リアム達が新たなバンドを作るというニュースを聞いたとき、
僕は「オアシスの延長線」を期待するのはやめようと思いました。
しかし、同時に彼らがどんな音楽を作るのか、さっぱりイメージはできませんでした。
オアシス時代にも、リアムやアンディ、ゲムが曲を書いていたことはあります。
けれどそれは「オアシス」という枠の中でのこと。
枠そのものが無くなった今、彼らがどういう音楽を作るのかは未知数でした。

その答えは昨年の暮れにリリースされた、
ビーディ・アイ名義での最初のシングル<Bring The Light>にすべて入っていました。
3コードでひたすら押す、なんだか聞いていて思わず恥ずかしくなるくらい、単純明快なロックンロール。
ピアノがなんとも古典的なリフを刻み、まるで60年代のようなレトロな香りが漂っています。
オアシス時代からビートルズやザ・フーのカバーを散々やっていたし、
インタビューなんかでも「オールド・ロックンロール愛」をしょっちゅう喋っていたので知ってはいたのですが、
改めて思いました。
彼ら(特にリアム)は、本当にピュアな「ロック少年」だったのですね。

アルバム4曲目に<Beatles And Stones>という、“まんま”の曲があります。
東日本大震災へのチャリティーソングとして発表したのが、
オリジナル曲ではなくビートルズの<Across The Universe>のカバーだったことも象徴的です。
キャリア的にはもうベテランの域なのに、未だにロックに憧れている彼らがなんとも愛しい。
アルバムタイトルの「Still Speeding」とはそういう意味なのかも知れません。

アルバムを全編通して聞くと、とにかくリアムが頑張っているという印象。
ボーカルの強度はオアシス時代よりもさらにレベルアップしています。
責任感のようなものなのでしょうか、彼がとにかくバンドを引っ張っていこうとしているのが伝わってきます。
彼が一人の自立した、成熟したミュージシャンだったことに、今さらながら驚きました。
そう考えれば、彼がノエルの保護下から離れたのは必然だった気がしてきます。

今回のデビューアルバムで、リアムが目指している方向みたいなものはわかりました。
今後、この時代に逆行するようなかっこいいロックに突き進んでいくことを期待しています。

「Abbey Road Studio」でライブ収録されたファースト・シングル<Bring The Light>







sassybestcatをフォローしましょう
ランキング参加中!
↓↓よろしければクリックをお願いします

にほんブログ村 音楽ブログ CDレビューへ
にほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ