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大人になって初めてわかる
「走ること」の喜び


スポーツ誌『Number』が別冊として、
年に3回(で合ってるかな?)発行している『Number DO』。
最新刊(特集:RUNの学校)が発売になりました。

「高橋尚子が山の神・柏原竜二に教えるマラソンの心構え」
「東京マラソン完走者50人に学ぶ目標達成の技術」
「有名ランナーが選ぶすごいマラソン大会」
「川内優輝の粘る心はいかにして作られたのか」(←すごい面白かった)
「箱根を走れなかった男たち」(←東洋大・川上君のインタビューは泣けます)

などなど、ランナーには(特に僕のようなミーハーランナーには)
たまらない企画ばかりの楽しい雑誌です。
毎号買っていますが、今号が一番読み応えがありました。

ランニングを特集した雑誌はたくさんありますが、
大体が「トレーニング法」や「食事の仕方」などのハウツーものばかり。
それに対して、『Number DO』は「読み物」中心の雑誌です。
有名ランナーやタレントランナー、無名の市民ランナーが語る、
それぞれの「ランニング哲学」。
企画は毎回異なりますが、雑誌の軸となっているのは、
「なぜ私は走るのか」という、実にシンプル且つディープなテーマなのです。

ランニングってものすごく孤独で個人的な作業だから、
本質的に他人と共有することができません。
人によって走るペースや距離は異なるから、
練習すら一緒にすることは難しい。

でも、初心者は初心者で、上級者は上級者で、それぞれのレベルなりに、
みんな「キツイ」という点では共通しています。
ランナー同士が唯一つながり合えるものがあるとすれば、
「ああ、この人もきっとキツイんだろうな」という、
ランナーだからこそ抱く連帯感だと思います。
サラリーマン同士であれば、勤めている会社が違っても、
お互いの辛さが何となく想像できる、みたいな感じでしょうか(笑)。

だから、走り方のハウツーを知るよりも(それはそれで面白いのですが)、
他のランナーが何を考えて走っているのかを知る方が、
僕にとってはモチベーションにつながりやすいのです。
「俺もやるぞ!」と。

今号で特に印象に残ったのは、
タレントの石原良純が語った言葉。
(意外かもしれませんが、実は彼は既に5回のフル完走記録をもつランナーです)

曰く、
ランニングというのは究極のムダ。そのムダな時間を楽しむのがランニング。
だから、少年少女にはまだ走る楽しさは理解できないかもしれない。
できれば30歳を過ぎてから楽しんでほしい。


この言葉には納得させられるものがありました。
「30歳を過ぎてから〜」ってところが特に。
(石原良純自身も30歳からランニングを始めたそうです)

僕も30歳でランニングを始めました。
以前も書いたように、学校の体育の授業で、
徹底的に「持久走は向いていない」と悟ったはずなのに、
今さらランニングにハマるのはどういうわけなのだろうと思ってました。

僕はランニングを「究極のムダ」とまでは言い切らないけど、
確かに、ランニングの魅力に気づくようになるには、
ある程度の時間が必要なのかもしれないとは思います。

例えば、
「暖かくなってきたな」と思ったり、
「日が長くなったな」と感じたり、
「毎日同じように暮らしていても、
日によって体の調子はこんなにも違うのか」と発見したり、
ランニングは季節の変化や自分の肉体といった、
プリミティブなものへの目を開かせてくれます。
ただ、そのためには、ある程度の年齢になって
「心の余裕」みたいなものができないと、確かに難しいかもしれません。

思えば、学校の授業で習ってきた「体育」って、
「何分(秒)で走れるか」とか「何メートル飛べるか」とか、
何でもかんでも計数化してばっかりでした。
だから僕みたいな劣等生は、
長らく体を動かすことへの苦手意識が拭えなかったわけですが、
本当は、上記のような「身体を通してでしか感じられないものがある」ということを
もっと教えるべきだと思いますよ。ブツブツ。

今年の僕の目標は月間100キロ。
ただ、秋にはBRIDGEの公演があるから、
夏前からの稽古期間でどれだけ頑張れるかが勝負です。



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