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「大人」になんか、なるもんか

セックス・ピストルズもいいけど、クラッシュもいいけど、ダムドも最高だけど、
でも、数あるパンクバンドの中で結局誰が一番好きなのかと聞かれれば、
僕は迷わず「ラモーンズ」と答えます。

1974年ニューヨークで結成。
全員が「ラモーン」というステージネームを名乗るこの4人組は、
アメリカ国内のみならず、ピストルズやクラッシュなどイギリスの後進たちにも影響を与え、
その後の世界的なパンク・ムーブメントの礎を築きました。

ラモーンズの魅力は、なんといってもそのシンプルなスタイルです。
ドラムのリズムは基本的に全部8ビートで、ギターもダウンピッキングオンリー。
難しいことは一切なしです。
多分、楽器初心者でも彼らの曲なら1週間くらいで弾けるようになるでしょう。

それに、どの曲も3コードが基本で、多くても5つか6つくらい。
構成する和音が限られてるということは、どうしたって似たような曲ばかりになるということですが、
ラモーンズはそんなこともおかまいなし!
もうどれがどの曲なんだかCD聞いててもたまにわからなくなるのですが、そんなところも彼らの魅力。
ファンは彼らのことを敬意を込めて「偉大なる金太郎飴」と呼びます。

さらに、どの曲も超がつくほどの高速テンポ。
ニューヨークパンクの震源地となった伝説的ライブハウス「CBGB」にラモーンズが初めて出演したとき、
彼らは16分という持ち時間の間に、なんと12曲も演奏したそうです(12分で16曲という説もある)。

彼らが登場した70年代半ばは、プログレッシブ・ロックや初期メタルといった、
重厚長大で演奏難度が異様に高い音楽の隆盛期でした。

そこへ現れたラモーンズ。
セリフをあてるとすれば、「難しいこと考えずにガーッとやりゃいいんだよ!」というような感じでしょうか。
実際、ギターのジョニー・ラモーンは
「誰でもすぐに演奏できるようなロックが作りたかった」
という趣旨の発言をしています。
かのシド・ヴィシャスは、ラモーンズのレコードを聞いてベースを練習したというエピソードも残っています。
ロックが技巧化、産業化し、
アーティストとリスナーとが見えない敷居で分かたれるようになってしまった時代に、
ラモーンズは文字通り風穴を開けたのでした。


ラモーンズはホントいいですねえ。どう言えばいいのかわからないくらい、好きです。
なんというか、ロックの一番楽しい部分を体現する、そんなバンドだと思います。
彼らのさらに素晴らしいところは、上記のような「ザ・初期衝動」とも呼ぶべき荒々しいスタイルを、
最後の最後まで貫いたところです。

彼らの最後のスタジオ収録盤は95年リリースの『Adios Amigos』。
95年という時代にラモーンズがまだ現役を張っていたという事実にも驚きですが、
その音楽自体もデビュー作『ラモーンズの激情』の頃から何ら変わっていません。
相変わらずうるさいし、相変わらず速い!このブレなさに僕は圧倒的信頼を寄せます。

この『Adios Amigos』の1曲目に<I Don't Want To Grow Up>という曲が入っています。
元はトム・ウェイツの曲なのですが、まるでラモーンズのために書かれたかのように、見事にハマっています。
何と言ってもタイトルがいいです。
「大人になりたくない」。
これはまさにラモーンズの生き様そのものを表しているように感じます。



<I Don't Want To Grow Up>Video







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