タイトルの通りです。
先週末に走る予定だった初のフルマラソンを棄権しました。
マラソン用語で言うところの「DNS(Did Not Start)」というやつです。
覚えたての専門用語を、まさかいきなり最初で使うことになるとは…。

理由は、先月から慢性的に続いている胃腸炎と坐骨神経痛が
レースの1週間くらい前から悪化したからです。
ちょっとずつ回復はしてきていて、
当日も「頑張れば走れるかな」という感じだったのですが、
ムリしてまたぶり返すのが怖かったのと、
何より、一度切れてしまった緊張の糸をもう一度結び直すのが億劫だったので、
結局走らないことに決めました。
(と言いつつその週末もランニングは普通にしてたんですけどね)

およそ半年にわたってコツコツ走り込んで準備してきたわけですから、
今回のことはそれなりに悔しいのですが、
落ち込んでいるかというと、そうでもないです。
走ることそのものへのモチベーションは、
むしろ意外なほどに軒昂です。

多分、元々僕にとってレースというものがあくまで目標の一つに過ぎず、
走る目的そのものではなかったからだと思います。
僕の走る目的はシンプルで、
「できるだけ長い距離を、できるだけ楽しく走れるようになること」。
今シーズンのフル出場は叶いませんでしたが、
この半年間の練習で、それまでよりも長い距離を踏めるようになってきたので、
結果的には目的に一歩近づけました。
ああ、なんと前向きなんだろう(笑)。

以下、この半年間で実感したことを備忘録として。


その1.筋肉は「怠惰」である

筋肉は本当に言うことを聞いてくれません。
何回、何十回と繰り返し刺激を与えないと、
こちらの望む力を発揮してくれない。
そればかりか、ちょっとでも負荷を軽くすると、
すぐに手を抜いて元の状態に戻ろうとします。
ほんの4〜5日走らないだけで筋肉はみるみる減り、
体重計に乗ると2〜3キロは軽くなります。

しかも、その上、こちらの言うことはちっとも聞かないくせに、
不平不満だけは猛烈にアピールしてくる。
大抵20kmを超える頃には、
足のどこかが「もう止まれ!」「休め!」と叫び始めます。
それを時になだめ、時に鞭を入れることで、
筋肉はしぶしぶこちらの言うことを聞くようになり、
徐々に能力の上限値を上げていくのです。
筋肉を鍛え、維持していくためには、
何より「根気」が必要なのだと、この半年間でつくづく思い知りました。


その2.身体と脳には「時差」がある

筋肉は怠け者だから、いくら鍛えても、
「あ、強くなってきたな」と手ごたえを得るまでには、恐ろしく時間がかかります。
そして、それ以上に厄介なのが、
マイナスの影響が現れるのにも時間がかかることです。

例えば、ちょっと無理をしてペースを上げてみる。
すると、その無理が疲労となって身体に現れるのは、
大体その5kmくらい後なのです。
また、走り終わって「今日はなんだか疲れてないな」と思っても、
実は身体の奥底にダメージが残っていて、
翌々日あたりになって足の痛みや胃腸の不調になって現れる。
どうも脳が感じる感覚と、実際に身体の内側で起きていることの間にはズレがあるようです。
逆に言えば、走っていて「喉が渇いたな」と感じたら、
それはもう脱水症状1歩手前の信号、つまり手遅れなのです。

こういう、肉体特有の「タイムラグ」は本当に厄介です。
走っている最中はもちろん、休んでいるときでさえも、
「現時点での感覚」を基準に考えてはいけない。
10分後、1時間後、1日後の肉体をイメージして行動する必要があります。
だから、基本的に「無理は禁物」の世界です。
ランニングを始めてから、
僕はだいぶ自分の身体に対して謙虚になったように思います。
でも、こういう謙虚さは多分いいことなんじゃないだろうか。


その3.疲労は「内臓」に溜まる

走って疲れるのは足の筋肉だけだろうと思ってたら、大間違いでした。
長時間の運動は、内臓にもダメージを与えるそうです。
例えば、マラソン後に血液検査をすると、
ヘモグロビンの量は圧倒的貧血レベルに、
肝機能は肝炎を疑われるレベルにまで低下するそうです。
胃腸も普段に比べると働きが悪くなるため、
長い距離を走った後は消化の良いものを食べないと簡単に消化不良を起こします。

…そう、今回僕にフルマラソンを棄権させた件の胃腸炎は、
多分ランニングが原因です。
走りが原因の体調不良で走れなくなるなんて、人生は皮肉です。
これまでは「走った分は食え!」と、
ラン後は普段以上にモリモリ食べるようにしてましたが、逆効果だったんですね。
今回のことに懲りて、食生活も見直さなきゃなあと殊勝にも反省しています。


この3月で、走り始めてから1年半が経ちました。
多分この間、1週間以上走らなかったことはないんじゃないかなあ。
さすがにここまで続いたら本物でしょう。
趣味以上の趣味。自分の中でライフワークの一つに加わった感があります。
スピードも月間走行距離もせいぜい中の下くらいのレベルだし、
上記のようにいろいろ失敗だらけなんだけど、
試行錯誤しながらやってくのが楽しいです。
何者にも縛られず、1人で考えて1人で実践して、
良くても悪くてもその成果を1人で引き受ける。
その究極の「自己完結」ぐあいが、
性格的に合っているんだと思います。
あ〜、走るの楽しい。
今週末ももちろん走ります。

runrecord201303





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