modernvampiresofthecity

ロディセンスが際立つ
「シンプル志向」の3枚目


「現役で活動しているバンドの中で、最も好きなのは?」
と聞かれたら、僕は彼らの名前を挙げるでしょう。
NYブルックリンで結成された4人組のバンド、
Vampire Weekendです。

以前本ブログでも紹介したデビューアルバム(2008年)も、
2枚目のアルバム『CONTRA』(10年)も、
繰り返し繰り返し何度も聴いてる愛聴盤。
のみならず、劇団の芝居で彼らの曲を何曲も使ったこともあります。

刺激的なアフロビートに素っ頓狂な高音ボーカル。
過剰なほどにつぎ込まれた雑多な音色に、
一度聴いたら耳から離れない独特なメロディ。
幼稚園の遊戯室をそのままパッケージしたような、
カオス的で超がつくほど個性的なVampire Weekendの音楽は、
スリル満点で目が離せません。
初めて聴いたときは、正直「一発屋かな?」とも思いましたが、
気が付けばガッチリとハマッてしまいました。

そんなVampire Weekendが今月、
3年ぶり、通算3作目となる待望の新作
『Modern Vampires of the City』をリリースしました。

ジャケットの、スモッグで霞んだ都市の風景は、
「最も大気汚染がひどかった」と言われる、
1960年代のNYマンハッタンの写真だそうです。
このモノトーンのジャケットから受ける印象通り、
今作は前2作に比べるとグッと落ち着いたアルバムになっています。

メンバーのインタビューを読むと、
ファースト、セカンドの流れを受けて作る今回の3枚目は、
「次なるステップへ行くために、これまでで一番落ち着いた作品にしよう」と、
かなり意識的、自覚的に曲作りをしたようです。
実際、アルバムの1曲目に収録された<Obvious Bicycle>は、
むしろラストに相応しいようなスローなバラード。
前2作とはガラリと違う幕開けの雰囲気に、
「何か違うぞ感」というか、今作にかけるメンバーの気合いを感じます。

アルバムを通して聴くと、
確かに前2作のような派手さは減りましたが、
シンプルになった分(それでも十分カオティックなのですが)、
彼らのポップネスや優れたメロディセンスが、
むしろ前2作よりも強く感じられる作品になりました。

2曲目<Unbelievers>や10曲目<Ya Hey>などは、
今までになかったタイプの泣きのメロディなのに、
コードの展開は彼ららしいダイナミックさを堅持していて、
このバンドの新たな可能性を感じさせます。
また、彼らはやっぱりリズムのパターンが面白いですね。
初期こそ「アフロポップ」などと呼ばれましたが、
今やその言葉の枠にとらわれない、
独自の世界に踏み込んだ気がします。

前2作(特にファースト)のような派手でインパクトのある曲が少ない分、
新規リスナーよりも既存ファンの方が聴きやすいアルバムかなあとも思いますが、
その一方で、2枚目、1枚目と遡るという、
「逆の入り口」にもなりうる1枚だとも思います。

ホントにいいです、Vampire Weekend。
彼らを見るためだけにFUJI ROCKに行くことを真剣に考えてます。


<Diane Young>


<Ya Hey>







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