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これがロックバンドの
最新の「進化形」だ


今年の夏前くらいからでしょうか。
twitterや音楽系サイトで、何度彼らの名前を目にしたでしょう。
体感として伝わってくる注目のされっぷり、期待の煽られっぷりは、
2009年におけるThe Pains Of Being Pure At Heartや、
2012年におけるJake Buggを彷彿とさせます。

英国マンチェスター出身の4人組、
the 1975が今年リリースしたデビューアルバム。
10月の国内盤発売を待って買いました。

「the 1975」という一風変わったバンド名は、
メンバーが偶然目にした、あるビートニク文学の書籍に記された走り書きから。
ビートニク文学を手に取るなんてだいぶシブイですが、
メンバーの平均年齢は24歳。若いです。
ただ、彼らは既に10代半ばから一緒にプレイしていたので、
バンドとしてのキャリアはもう10年になるそうです。

the 1975の魅力(というか面白いところ)は、
彼らがブレイクするきっかけにもなった代表曲<Chocolate>に、端的に表れていると思います。

<Chocolate>


打ち込みのようにループするシークエンス。ビートの利き具合。
僕は初めて聴いた時、ロックというよりもヒップホップやダンスフロア系のような印象を受けました。
なんか「イマドキっぽいなあ!」という感じ(笑)。

ただ、ヒップホップなどにありがちな、機械的で無機質な耳触りを感じないのが不思議です。
むしろ生音の手作り感みたいなものがある。
実際、今回のデビューアルバムで彼らの色んな曲を聴いてみると、
最初の印象とは真逆に「レトロ」とすら感じるほどです。

上記の<Chocolate>を改めて聴いてもらえると分かるのですが、
(というか僕は最初に気付けなかったのですが)
打ち込み音のように聞こえても実はギターの生音だったり、
あるいは、メロディを崩しているように見せかけて、実はしっかりと「歌」の体裁を整えていたり、
彼らは純然たる「バンド」であることに気付かされます。
(「バンドであること」を実感するまでにこんなに時間がかかったバンドはいません笑)

バンドという、ある意味ではとてもアナログなフォーマットを用いて、
エレクトロニカやヒップホップ、ダンスフロアといった、
テクノロジカルなジャンルにクロスオーヴァーしていく。
この相反性や矛盾が、なぜか自然に同居してしまっているところに、
the 1975の面白さがあると僕は思います。

ちなみに彼らは、今みたいな音楽をやる前は、
ゴリゴリのパンクバンドだったそう。
その出自を聴くと、<Chocolate>や<The City>みたいな曲を演奏しても、
彼らがどうして「バンド臭」を漂わせているのか、
そのワケが納得できる気がします。

「掴みどころがない」っていう表現よく聞きますけど、
彼らは本当にその形容詞が相応しい。
「バンド」というものの最新の進化形を見るようです。



ライヴ映像を見ると、急に「バンド」感が増します。
<The City>


<Chocolate>







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