hakone

今年もガッツリ見ました、箱根駅伝。

今回は駒澤大学が勝つだろうと予想してました。
ここ何年も、毎回優勝候補の一つに数えられながらもあと一歩のところで優勝を逃していた駒澤ですが、
今シーズンは、箱根の前哨戦にあたる出雲駅伝(10月)と全日本大学駅伝(11月)とを連続して制し、
波に乗っていました。
※参考記事:箱根駅伝、優勝候補は「駒澤大だけ」(Sportsnavi)

ところが蓋を開けてみたら、東洋大が駒澤に5分近くの大差をつけての優勝。
それも、柏原竜二在籍時の2012年大会でたたき出した大会記録に1分15秒差にまで迫る、
歴代2位という大記録(10時間52分51秒)での圧勝でした。
柏原という「大砲」抜きでのこの記録ですから、
今回の優勝で東洋は、一部のエースに依存するワンマンチームなどではない、
真の強豪校であることを示したと思います。
※参考記事:東洋大を圧勝Vに導いた“全員駅伝”(Sportsnavi)

印象的だったのは、東洋のアンカー、大津選手です。
鶴見でタスキを受け取った段階で既に2位の駒澤と3分差がありましたから、
ハッキリ言えばのんびり走っても優勝はできたはずです。
それなのに、彼は安全に行くどころか、最初の1kmを3分を大きく割るスピードで突っ込み、
そのままゴールまでほとんどスピードを緩めず走りきり、結果的に区間賞を獲ってしまいました。
セーフティリードを手にしていても最後まで攻めの走りを貫いた大津選手のあの姿勢には、
勝利への執念というか、魂みたいなものを感じてとても好感を持ちました。
金栗賞(MVP)を彼が受賞したのも納得です。
※参考記事:アンカー初MVP!東洋大・大津、復路新の快走劇締めた(SANSPO.COM)


さて、解説の真似事はこのくらいにして、今回の本題です。

こないだあるネットの掲示板で、
「いろんなスポーツ中継があるけどマラソンが一番つまらない」という書き込みを見かけました。
しかも、その意見に対してけっこう多くの人が賛同していました。

まあ、確かに、その気持ちは分かる。
僕も、走るようになった今でこそ夢中で観戦してますが、以前は、
「点が入るわけでも逆転劇が頻繁に起こるわけでもないからつまらん」
「ただ走ってる人を延々映しているだけの画をどう見ればよいのか」
などと思ってましたから。

なので今回は、マラソンへの興味も競技の知識もゼロという状態から、
どうやれば箱根駅伝を楽しむことができるのか。
その方法を僕なりに考えてみたいと思います。

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方法1:「応援校」を見つける
これが一番手っ取り早いですね。
ひいきのチームが見つかれば自然と感情移入もできるはず。
じゃあどうやって応援校を見つければいいか。
自分の出身校を応援するというのが最も簡単ですが、出場するのはわずか20校ですから、
その中に自分の出身校が含まれている可能性は、普通に考えれば低い。

じゃあ僕はどうしているかというと、「キャンパスが家の近所」ということで、
東洋と帝京、それと大東文化大を応援してます。
(なので今年は東洋が優勝し、帝京・大東もシード権を獲得したので万々歳です)
あくまできっかけなので、自分じゃなくても友達や親戚に卒業生がいるとか、
あるいはもっとシンプルに「ユニフォームが好き」なんていう理由でもいいんじゃないでしょうか。
要は、漫然とレースを眺めるよりも
「視点を一か所に据える」ということをした方が楽しいんじゃないか、ということですね。


方法2:「好みの選手」を追う
1の「応援校を見つける」ということと本質は一緒です。
学校単位ではどうしても気に入ったチームが見つからないというのであれば、
「1区は●●選手、2区は□□選手」という風に気に入った選手を探しながら観戦するのも一つの手です。
いい顔してる選手、好みの顔をしている選手、
あるいは走ってるフォームがかっこいい選手(ちょっとマニアックか)とか、
とにかく第一印象で「この人!」と決めてその選手を追うと、俄然のめり込めます。
その際、1年生、2年生あたりの若い選手を選んだ方が、
来年、再来年も見られる可能性が高いので「お得」かもしれません。

ちなみに、毎年見ている人は分かると思うんですけど、
間違いなく学校によって「顔の系統」ってのがあります。これが不思議なんだよなあ。
例えば今回優勝した東洋は、今風の爽やかな「男子!」という感じの子が多いですね。
それと、最近急速に力をつけ始めている青山学院や、東海大なんかもわりと可愛い感じの子が多い。
逆に駒澤や日体大なんかは、いかにも「運動しか知りません!」みたいな武骨な子が多い。
ちなみに僕はどうしても後者の方に肩入れ(という表現は逆に失礼か)しちゃいます。

んで、話がだんだん脱線してくるんですけど、「BL」ってあるじゃないですか。
「ボーイズラブ」。いわゆる男性同士の恋を描いた漫画とかのことですね。
そんでですね、この学生駅伝っていう世界は、
BL的には極上の素材なんじゃないかと僕はずっと思ってるんですね。
だって、身に付けてるのはランニングと短パンだけだし、
そんな半裸みたいな格好で男の子たちが抱き合って泣いたりするんですよ。
しかも、長距離ってスポーツは、全員が惜しげもなく苦しい表情を晒しちゃう競技じゃないですか。
その苦しくて泣きそうな表情とか、好きな人にはたまらないと思うんだよなあ。


方法3:「小説」から入る
本を読むのが好きな人ならこの方法はアリです。
箱根駅伝を題材にした小説といえば、
堂場瞬一の『チーム』と三浦しをんの『風が強く吹いている』が双璧です。



『チーム』は「寄せ集め」と揶揄される学連選抜が、
『風が強く吹いている』はマラソン素人で結成された即席チームが、
それぞれ箱根駅伝での勝利を目指すというストーリー。
物語そのものもとても面白いのですが、
レース中の描写や選手同士の駆け引きなどは、かなりリアルに描き込まれています。
小説を読んでから実際のレースを見れば、「ただ走ってるだけ」と思っていた駅伝という競技が、
実はとてもドラマチックなものだと感じられるんじゃないでしょうか。

ちなみに、変わりダネとしてこんな小説もあります。

箱根駅伝を舞台にしたサスペンスで、レースを中継するテレビ局や中継車が物語のキーになります。
『チーム』、『風が強く吹いている』が「テレビに映る箱根駅伝」を知るためのものだとしたら、
『強奪 箱根駅伝』は「テレビに映らない箱根駅伝」を描いたものといえるかもしれません。
「イベントとしての箱根駅伝」の、その裏側を垣間見れる作品です。


方法4:「地図」を片手に観戦する
箱根駅伝は往路(108km)、復路(109.9km)合わせて217.9kmという、
駅伝としては他に類を見ない超長距離レースです。
それも、東京〜箱根という、都心も海も山もある、バラエティに富んだ景色の中を移動します。
そこで、箱根駅伝をレースとしてではなく、
選手の位置を追いながら一種の「バーチャル旅行」として楽しむというのが、
ややマニアックながらも、「通」的な観戦方法です。
最近は日テレの公式サイトが、
各選手の位置をリアルタイムで地図上に表示するというサービスを始めているので、
CMなどに邪魔されず東京から箱根までをエンドレスに追うことができます。

また、コースはおおむね東海道を辿るので、
沿道には史跡や名所が少なくありません。
なので、歴史が好きな人にはこの方法はおすすめですね。
※副読本としてこんなのもあります。



方法5:「名物」を楽しむ
最後は、かなりアクロバティックな楽しみ方です。
箱根駅伝というイベントには、本来の趣旨とはまるで関係ない、
けれど毎年期待してしまう「名物」というものがあります。
そうした「名物」を、レースそっちのけで追いかけるというのも、
それはそれで一つの楽しみ方かもしれません。
代表的なものを紹介します。

1. 瀬古利彦の珍解説
毎年第一中継車(先頭ランナーを中継する車)に乗り込みメイン解説を務める瀬古利彦。
自身も早稲田在籍時は花の2区を走り、卒業後も世界を舞台に活躍したレジェンド的ランナーですが、
解説者になると一転、

・母校の早稲田が勝つと上機嫌、負けると不機嫌
・見たまんましか言わない(「口が開いてきました」「汗をかいてますね」etc.)
・謎の発言(「勝負に負けた方が、負けるんです」「速くもないし遅くもないですね(←実際は区間新)」etc.)

などなど、異様な天然ぶりを発揮して、視聴者を混乱のるつぼに叩き込むのです。
twitterではレース開始前から「#瀬古黙れ」「#瀬古寝るな」「#瀬古元気出せよ」といったハッシュタグが現れ、
レース後は毎年まとめサイトに記事が作られます。
(今年もできてました→箱根駅伝の瀬古さん発言集
解説者としてはほとんどアテにならないんだけど、
なぜか憎めない、それどころか毎年何かを期待してしまう、愛すべき箱根の「名物」なのです

2. 二宮のフリーザ様
毎年復路において、二宮の中継ポイントに現れる、
『ドラゴンボール』のフリーザ様の格好をした謎の集団。
中継ポイントは必ずカメラに映るということを逆手に取り、
選手が通過するたびにフレームの端で集団芸を見せるこの「二宮のフリーザ様」は、
今や全国的に有名になりました。
他にも、毎年どこかに映る「○_○」という謎の旗や、函嶺洞門に必ず現れるリラックマなど、
「箱根名物」はいくつもあります。
僕はこういう「映りたがり屋」はあまり好きではないんですが、
二宮のフリーザ様だけは、ばっちり衣装を用意して毎年新ネタを仕込んでくるという、
うっかり「マジメ」と呼びたくなるような熱意(根本的な意味不明感は残りますが)を感じるので、
毎年見ちゃうんですよね。
※参考記事:【画像まとめ】2014年 今年も箱根駅伝にフリーザ様が降臨

3. 最後尾の自転車集団
テレビでは中継されないので、実際に行かないと見れないのですが、こういうのもあります。
※参考記事:【チャリで追走】テレビに映らない箱根駅伝の最後尾が凄い

これ、噂では聞いたことあったんですけど、記事読んだら予想以上にすごいことがわかりました。
自転車乗りにとっても箱根駅伝は一大イベントなんですねえ…。

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ということで5つ挙げてみました。
良かったらどれか試してみてください。
…ってあと1年チャンスはないんだけども。




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