200x_P2_G2784024W

「暗い歌」だって、温かい

日本の3ピースロックバンド、Galileo Galilei
日本最北の街・稚内出身の10代の少年たちが、
第1回閃光ライオット(2008年)でグランプリを獲るという、
シンデレラストーリーのような華々しさでデビューを飾った彼らですが、
今年1月にリリースした4枚目のアルバム『Sea and The Darkness』
その後の全国ツアーをもって、バンドの活動を休止することを発表しました。
Galileo Galileiが“終了”

彼らの活動休止に関しては、直後からさまざまなニュースや文章がネットに出ましたが、
その中で僕が最もグッときたのは、以前もブログで紹介したFor Tracy Hydeのギタリスト、
夏botが書いたこの文章です。
Galileo Galilei活動終了に寄せて

素朴ですがハートの詰まった文章です。
(プロのライターのうんちくばかりの記事よりも、僕はこういう文章こそ読みたい)

実は、僕がGalileo Galileiを聴くようになった経緯も、
夏botと少し似ています。
僕も、最初は彼らのことを毒にも薬にもならない商業バンドだと思って敬遠していました。
そして、その印象を改めたのも、彼と同じくアニメがきっかけでした。
ただし僕の場合は<青の栞>ではなく、
『機動戦士ガンダムAGE』のオープニング<明日へ>でした。

アニメ主題歌にありがちな騒々しさや内輪っぽさがない、
すごく品のある曲だなあと耳に留まり、
クレジットを見て「え?これってあのGalileo Galilei?」と驚いたのを覚えています。

 ※話はずれますが、<青の栞>の「いつの間にか切れたミサンガ」というフレーズは
 ※For Tracy Hydeの<After>を連想させます。


そして、決定的だったのは14年に公開されたこの動画でした。

The Smithsというチョイスも(当時の僕が彼らに抱いていた印象からすると)意外だったのですが、
それを日本語に直して歌うセンス(尾崎雄貴の声がすごくいい)と、
オリジナルに忠実なアレンジなのに、歴とした「自分たちの曲」にしてしまう空気感に、
Galileo Galileiというバンドに対する印象は大きく変わり、
「よし、ちゃんと聴いてみよう」となったのです。
※他にはこんな曲もカバーしてます。


※The DrumsなんてGalileo Galilei版の方が好きかも…



ラストアルバム『Sea and The Darkness』はタイトルにもある通り、
「闇」というテーマを中心に据えた作品です。
闇とはすなわち「孤独」や「苦悩」、そして「死」といったイメージ。
歌詞にも「死」という言葉そのものも出てくるし、
「葬式」という死につながるキーワードや、
裏庭に君の身体を埋めた」なんていうフレーズも出てきます。
僕が好きなのは<ユニーク>という曲に出てくる
彼がみる意味のない夢はほんとうに意味がなかった 底なしに」という言葉。
なんかズドーンと撃ち抜かれたような気になります。

「死」へのリンクというと、僕はPeople In The Boxを思い浮かべるのですが、
詩のように、言葉の響きがもつイメージを駆使しながら「死」を歌うPeopleと比べると、
Galileo Galileiの場合は余計なレトリックを排して、淡々とそうしたフレーズを歌うので、
ある意味ではGalileo Galileiの方がより生々しく、闇が濃いように感じます。

しかし、このアルバムにおける「闇」という存在は、
避けるべきもの、忌むべきものとして描かれているわけではありません。
アルバムの実質的な締めくくりにあたる<Sea and The Darkness II (Totally Black)>では、
(80年代のキレッキレだった頃のフィル・コリンズが歌いそうな超上質バラード)
夜明けを迎えるためにも進んで夜の闇を受け入れていく、
あるいは闇そのものに希望を見出そうとしている姿勢がうかがえます。
「闇夜の中では僕の影も君の影も一つ」というフレーズが素晴らしい。
昔のthe pillowsを思い出しました。



…まあでも、なんていうか、ミもフタもない言い方になるけど、「暗い」ですよね。
このアルバムを聴きこんでいる最中にたまたまテレビで
SEKAI NO OWARIの超陽性エネルギーに満ちたライブを見たこともあり、
余計にそう思いました。

「暗い」って言葉を気軽に使ってしまいましたが、いい表現ではないですね。
なんていえばいいんだろう。
セカオワの<RPG>が、腕を取って光射す場所へ連れていってくれる歌だとしたら、
Galileo Galileiは僕の隣に黙って座り、
一緒に孤独の底に落ちていってくれる歌を歌ってくれます。

確かに、太陽の光の当たる場所で「僕はもう一人じゃない」と歌われるのもグッとくる。
でも、「闇夜の中では僕の影も君の影も一つ」という、
暗い海の底へ沈みながら、海面に揺らぐかすかな光を見つめるような歌だって、
僕にとっては同じくらい、いやもしかしたらそれ以上に温かいのです。

第三舞台の鴻上さんが『宇宙で眠るための方法について』で書いてた言葉
涙を流している人間の涙をふくハンカチのような芝居がやりたいと思います。
しょせんは、芝居などというものは、涙を流す根本の理由に対しては無力なのですから。

を思い出します。
涙を流している時には、その涙を止めようとするよりも、
黙って隣でハンカチを差し出してくれる方が救われるときがあるんだよなあ。

そういう意味で、Galileo Galileiは、
僕にとっては直球ど真ん中にボールを投げ込んでくれるバンドの一つでした。
おまけに聴き始めてから日が浅かったから、これで最後というのはとても残念。
メンバーはこれからも音楽活動を続けるようなので、次の展開に期待です。








sassybestcatをフォローしましょう
ランキング参加中!
↓↓よろしければクリックをお願いします

にほんブログ村 音楽ブログ CDレビューへ
にほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ