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タイ語は分からないけど
このバンドがすごくいいのは分かる


多分、僕が人生で初めてアルバムを買った(日本以外の)アジア圏のバンドです。
タイ、バンコクの芸術大学の女子学生3人によって結成されたYellow Fang
2008年から活動を始め、14年になってようやく1stアルバム『The Greatest』をリリースしました。
確か、アルバムのリリースきっかけで知ったんだと思う。

音数が少なく、ノイズまじりの気だるげなローファイサウンドに、
ペーン(Vo/Gt)の低体温なボーカルが乗るという組み合わせは、僕のどストライク。
USインディーのような荒々しさもありつつ、
The Cranberriesの大名曲<Dreams>を髣髴とさせる<Selfish>に見られるように透明感も兼ね備えていて、
海外シーンともすぐさま呼応できそうな突き抜けた風格を持っています。
過去にはThe Pains Of Being Pure At Heartとも共演歴があるそうですが、納得。
12年、13年にはサマソニにも出演していて、14年には単独で来日してツアーを行ったそうです。


アジアの音楽(特にロック/ポップ)というと、正直どこか「後れてる」イメージを持ってました。
タイ料理屋とかインド料理屋とかいくと、
よく現地のヒット(していると思われる)曲のMVなんかが流れてることがありますが、
シャツが胸まではだけた筋肉ムキムキ男とホットパンツ&タンクトップの金髪ウィッグ女が踊る、みたいな、
初めから終わりまで「力いっぱい!」な感じのビデオばかりで、
少なくとも僕の目からすると「30年分くらい垢抜けてない…」という風にしか映ってませんでした。

でも、当たり前ですけどそれってものすごく限られた一面でしかなくて、
現地では垢抜けない大衆向けメジャーシーンもあれば、その裏には、
欧米勢にも引けを取らない先鋭的でアンダーグラウンドなインディーシーンもあるわけで、
日本のタイ料理屋ではそういったところまで目に入らなかったというだけなんですよね。

ふと足元を見れば日本だってそれは同じだし(日本のヒットチャートなんてむしろひどいかもしれない)、
何を優越感を持っていたんだか、すごく反省。
実際、意識してネットで探してみると、アジア圏の素敵なバンドはたくさん見つかります。
台湾なんて驚くほどたくさんバンドがいるし、ついこないだ知ったインドネシアのMocca(モッカ)なんて、
めちゃくちゃお洒落でポップです。


ただ、その中でYellow Fangが特徴的なのは、母国語で歌っているところです。
サウンドがかっこよくて、なおかつ母国語で歌っているアジア圏のバンドというのは、
実はそんなに多くない。
印象的には全体の半分くらいで、残りのバンドは英語で歌ってます。

これって、どうしてなんでしょう。
英語圏のバンドに影響を受けて自然と英語詞を選択したのか、海外進出を前提にしているのか、
それとも、日本でいうはっぴいえんどの「日本語ロック論争」のように、
「母国語がロックに乗るのか?(いや乗らない)」という選択なのか。

でも、例えば僕がよく聴くホムカミHAPPY、Hearsaysといった、
「英語詞で歌う日本の若いバンド」たちのことを考えると、
英語で歌うのは今やまったく特別なことではなく、
むしろ彼らにとってみれば極めて自然な選択という気がします。
僕なんかの世代(30代)だと、ギリギリ英語で歌うのが「ちょっと頑張ってる」世代なんですけど、
世界的に見ても20代とかになっちゃえば、英語詞なんて当たり前なのかもしれません。

ただ、英語詞と日本語詞だけに慣れてしまった一人の日本のリスナーとしては、
Yellow Fangのように母国語で歌うロックというのはそれだけで新鮮だし、「お得」な気はします。
そして、今はまだ「海外シーン」というと欧米が中心で、
アジア圏のバンドもそこに収斂されていく流れですが、
今後、(その国の伝統音楽などではなく)逆に欧米勢から「おっ!」と思われるような、
アジア独自の新しいインディーシーンが生まれるとすれば、
その鍵は母国語(非英語)が握っているという気もします。








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