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「技術じゃねえ。ハートだ」は
やっぱり真実です


 カナダのバンクーバー出身の3ピースガールズバンド、コートニーズ。2013年にリリースされた1stアルバム『The Courtneys』は、地元の小さなレーベルでの扱いだったにもかかわらず人気を呼び、アメリカの有名インディーレーベルBurger Recordsをはじめ、世界各国のレーベルが彼女たちの音源をアイテム化しました。

 15年にはニュージーランドの老舗レーベル、Flying Nunと契約し、現在はバンド自身も拠点をオセアニアに移して活動しています。そして今年、Flying Nun移籍後初のフルアルバムとなる『II』がリリースされました。

 コートニーズのメンバーは、クラシック・コートニー(Gt.)、クレイジー・コートニー(Ba.)、キュート・コートニー(Dr.)と、全員が同じ「コートニー」姓を名乗るスタイル。ちなみにキュートがドラムを叩きながらメインボーカルも務めます。

 メンバー全員が同じ苗字を名乗るというと、真っ先に浮かぶのはラモーンズですが、コートニーズはその音楽スタイルまでもがラモーンズの直系ともいうべきものです。ひたすら続く直線的な8ビートとシンプル&ポップなメロディ。楽器はギターとベースとドラムだけ。演奏も歌もすごく拙いんだけど、その素朴さが逆に初期衝動を真空パックしています。



 コートニーズを聴いていると、「こんなに楽器が下手くそでもロックできるんだな!」とつくづく思います。「技術じゃねえ。ハートだ。」と口にすると綺麗ごとだと一笑に付されがちですが、いやいや、間違いなく真実ですよ。初めてバンドを組む中学生や高校生がいたら、僕は間違いなくコートニーズを(男子だったらラモーンズを)勧めると思うな。

 ただ、わが身を振り返ってみると、バンドを初めて組んだ中学3年生当時、コートニーズやラモーンズを聴いたとしても、希望を持つどころか、そのシンプルさを「単純すぎる」「子供っぽい」とバカにしてたかもしれません。「俺は他人と違う」という思春期特有の自己顕示欲を満たすことしか頭になかった当時の僕には、いかに難しい曲を、いかに他人より早くマスターできるかにしか関心がなかったからです。

 ではラモーンズをいつ好きになったのかというと、たしか20代、それも後半になってから。それは、かっこよくいえば、大人になってようやく、真っ直ぐでシンプルな生き方が、いかに尊いかを理解するようになったからです。

「俺このままこの仕事続けられるのかな」
「『アクションアイテム』ってなんだよ」
「今夜の会社の飲み会ホント行きたくねえ」
そんなことばかり考えながら、それでも仕事に向かってしまう自分を思うと、ラモーンズのシンプルで愚直で自由なスタイルが、途端に眩しく感じられたのです。

「ありえたかもしれない自分」というわけじゃないけど、コートニーズを聴いてると、もし中学生の頃に彼女たちに出会って、そしてめちゃくちゃ好きになっていたら、その後僕はどういう人生の選択をしたんだろうなあ、なんて思います。








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