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できるだけ高い場所にのぼって
そこからジャンプする


 タイトルのとおりなのですが、本ブログはしばらくのあいだ、更新が不定期になります。

 理由は、劇団です。2015年以来お休みをしていたtheatre project BRIDGEですが、次の公演に向けて準備を始めることにしました。まだ長い長い道のりの入口に立ったばかりで、もしかしたら途中で「やーめた!」となる可能性も十分あるのですが、とりあえずしばらくは劇団のほうに集中したいと思います。

 これまでにも何度か劇団の活動が理由でブログの更新が滞ったことがありました。たかがブログなのですが、台本を書いたり、稽古を始めたりすると、どうしても気持ちが「ブログを更新しよう」という方向に向かなくなってしまうのです。今回もおそらく同じ結果になるので、あらかじめお知らせしておくことにしました。

 これからですが、僕がまずやらなきゃいけないのは、台本を作ることです。僕の場合、1本の芝居(2時間程度)の台本を書くのに、準備も含めてだいたい半年近くかかります。次の作品は、いつもとは少し違う作り方をする予定なので、もっと時間がかかるかもしれません。

 台本が無事に書き終ったら次は稽古です。なにせ5年ぶりの公演なので、ブランクを考慮して今回は最低でも半年間は稽古をすると思います。その他もろもろの準備なんかを考慮すると、完成までに少なくとも1年はかかる見込み。1年後どころか1か月先の生活さえ読めないサラリーマン&子育て真っ盛り集団が、本当に劇場までたどりつけるのか、ぶっちゃけ自信は半分もありません

 ただ、それはそれとして、物語に取り掛かろうとする瞬間というのは、何度経験してもわくわくします。

 作家の高橋源一郎が「小説は1文字目を書き始めようと机の前に向かった瞬間が一番楽しい」というようなことを、以前Twitterで呟いていたことがありました。宇宙を旅することも、太古の時代にタイムスリップすることもできるし、底抜けのお人好しだろうが極悪人だろうが、どんな人にだって会いに行ける。白紙の原稿用紙を前にした究極の自由さに興奮する気持ちは、僕にもわかります。

 一方で僕は、1文字でも書いてしまえば、その瞬間に物語を作るという行為は、不自由との戦いになるようにも感じています。最初に「晴れた日」と書いたとすれば、それは雨や曇りの天気から物語を始める可能性を捨てるという風に言い換えられます。一度ビッグバンが起きてしまえば、世界は物理法則にしたがって粛然と形を固めていくしかないように、物語も最初の1行、最初の1文字によって運命は決まってしまうのです。

 書けば書くほど目減りしていく「自由」というものを、いかに最後まで多くとっておけるかが、面白い物語を作ることの肝なんじゃないかとさえ思います。一度飛び立ってしまえば風や重力に従って飛ぶしかないハングライダーが、できるだけ遠くまで飛ぼうと思ったら、少しでも高いところまで移動して、そこからジャンプするしかありません。だとしたら僕も、「自由」がある今のうちにたくさん夢を膨らませておいて、その力でめいっぱい高い場所からジャンプしてみようと思います。

 ということで、(ものすごく)うまくいけば、2020年の暮れあたりに劇場でお会いできるかもしれません




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