週刊「歴史とロック」

歴史と音楽、たまに本やランニングのことなど。

【RUN】箱根駅伝

それでも神野大地が「柏原竜二」を超えられない理由

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今年もガッツリ見ました箱根駅伝。

蓋を開けてみれば、青山学院の初優勝
それも、(参考記録になったとはいえ)12年に東洋が叩き出した10時間51分36秒を
2分も上回る驚異的なタイムでの優勝となりました。
確かに、「大砲」出岐雄大を擁した12年出雲駅伝制覇や、
直近の14年全日本で3位に入るなど、近年は強豪校の一角を担うまでに成長してきた青学ですが、
まさかここまで「ぶっちぎり」の強さを見せるとは思いませんでした。

今回の優勝の立役者になったのは、誰もが認める通り、5区を走った神野大地です。
まさか、あの柏原竜二の記録を抜く人間が、
彼の卒業後わずか3年で、しかも新興の青学から現れるとは思ってもみませんでした。

2012年 柏原竜二(東洋) 1:16:39
2015年 神野大地(青学) 1:16:15

今回から5区は函嶺洞門を迂回するコースに変わったため、柏原が走った時よりも200m短くなっています。
ですから、数字だけでは厳密には比較できません。
しかし、少なくとも神野が柏原に匹敵する記録であることは間違いないでしょう。

ただ、神野大地の驚異的なレースを見て僕が思ったのは、
それでも彼は「柏原竜二」を超えられないだろう、ということでした。
それは、選手として超えられないという意味ではありません。
僕ら観客の頭の中に刷り込まれた、
柏原竜二という記憶」を塗り替えられないだろう、ということです。
なぜなら柏原は強烈な「物語」というものを持っていたからです。

柏原が初めて5区を走った09年、
彼が箱根の山で演じたのは、8校のごぼう抜き4:58差をひっくり返しての逆転優勝という、
鮮烈過ぎるデビュー劇でした。

翌10年大会も、6校のごぼう抜き。
前年に自身が叩き出した区間新記録を10秒も更新してまたしても往路優勝を果たします。

あの急峻な箱根の坂を鬼の形相で上りながら、
次々と前を走る選手を追い抜き、
常識ではありえないような差をひっくり返してしまう柏原という選手は、
誰の目にも鮮やかに映る「物語」を持っていました。

デビューしたのが、まだ入学したての1年生であったことや、
3年生の時にスランプがあって伸び悩んだことも、
彼の「物語」を補強する材料でした。
彼の所属が東洋大という(当時はまだ)新興校だったことも、
ジャイアントキリング的な痛快さを与える一因でした。

そして、初めてトップでタスキを受けた4年生時、
かつてのようなごぼう抜きショーは見られなかったにもかかわらず、
既に物語を強く共有していた観客は、柏原に最高の歓声を送りました。
結果、その期待を裏切らずに彼は区間新記録を大きく更新してゴールします。
柏原がゴール直前に右手の拳を3度突き上げたシーンは、箱根史に残る名シーンになりました。
こうして彼は、箱根史上最大のスターになったのです。

ところが、神野大地には柏原のような強い「物語」というものがありません。
箱根山中でのごぼう抜きも、柏原のような若さも、
神野は持っていませんでした。
ですから、これほど素晴らしい記録を出したにもかかわらず、
5区のランナーとして記憶に残るのは、
これからも結局柏原なのではないかと僕は思ってしまうのです。

もちろん、神野自身には(そしてもちろん柏原にも)なんの責任もありません。
結局、「スター」というものは、単に記録が優れているだけでは生まれ得ず、
何らかの物語を授けられているかどうか、
そしてその物語がどれだけ人に共有されやすいかという「運」も必要なのでしょう。

ただ、「物語」は人為的に作ることはできません。
そんなことがもし可能なのであれば、それは少なくとも僕にとっては“スポーツ”ではない。
村山兄弟の対決を山崎豊子原作ドラマばりに煽ったり、
ある選手が母子家庭に育ったいう、足の速さと全く関係のないプロフィールをアナウンサーが叫んだり、
テレビは物語を付与しようと躍起です。
メディアとして、分かりやすいストーリーを取り入れたりという気持ちは分からなくもないです。
でも、そんな押し付けの物語などには、結局のところ誰も感情移入しません。


今回の箱根が終わった後、柏原はこんなことをTwitterに投稿していました。




ちょっと考えさせられるツイートですね。
僕自身も彼の「物語」に熱狂した一人なので、正直グサッとくるところはあります。
まあ、スポーツなんだし、難しいこと考えなくていいじゃないかとも思うのですが、
彼の指摘するようなことは、頭の片隅に入れといてもいいのかなと思いました。
箱根駅伝はが怪物イベントになったからといって、
選手を我々観客が(ちょっと強い言い方をすれば)勝手に「凌辱」していいわけではないはずです。


今年、まさに「圧勝」というべき優勝劇を演じた青学。
恐るべきは今年の往路のメンバーは神野含めて全員が来年も残るという点です。
ここ数年は総合力でいえば駒澤が他校を圧倒していましたが、
来シーズンはこのバランスも崩れるでしょう。

近年は駒澤・東洋の二強時代が続いていましたが、
ここに明治と青学が加わったことで、まさに「群雄割拠」の時代が本格的に到来したと言えます。
個人的には、若手中心の布陣ながら6位に食い込んだ東海大や、
安定した地力を見せつつある中央学院
そして今回1区で最下位に沈みながらも(そしてオムワンバという「大砲」抜きでも)9位に入った山梨学院など、
下からの突き上げも見逃せないポイントだと思います。

大会は終わったばかりですが、
早くも1年後が待ち遠しいですね。




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「マラソン嫌い」でも箱根駅伝が楽しめる5つの方法

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今年もガッツリ見ました、箱根駅伝。

今回は駒澤大学が勝つだろうと予想してました。
ここ何年も、毎回優勝候補の一つに数えられながらもあと一歩のところで優勝を逃していた駒澤ですが、
今シーズンは、箱根の前哨戦にあたる出雲駅伝(10月)と全日本大学駅伝(11月)とを連続して制し、
波に乗っていました。
※参考記事:箱根駅伝、優勝候補は「駒澤大だけ」(Sportsnavi)

ところが蓋を開けてみたら、東洋大が駒澤に5分近くの大差をつけての優勝。
それも、柏原竜二在籍時の2012年大会でたたき出した大会記録に1分15秒差にまで迫る、
歴代2位という大記録(10時間52分51秒)での圧勝でした。
柏原という「大砲」抜きでのこの記録ですから、
今回の優勝で東洋は、一部のエースに依存するワンマンチームなどではない、
真の強豪校であることを示したと思います。
※参考記事:東洋大を圧勝Vに導いた“全員駅伝”(Sportsnavi)

印象的だったのは、東洋のアンカー、大津選手です。
鶴見でタスキを受け取った段階で既に2位の駒澤と3分差がありましたから、
ハッキリ言えばのんびり走っても優勝はできたはずです。
それなのに、彼は安全に行くどころか、最初の1kmを3分を大きく割るスピードで突っ込み、
そのままゴールまでほとんどスピードを緩めず走りきり、結果的に区間賞を獲ってしまいました。
セーフティリードを手にしていても最後まで攻めの走りを貫いた大津選手のあの姿勢には、
勝利への執念というか、魂みたいなものを感じてとても好感を持ちました。
金栗賞(MVP)を彼が受賞したのも納得です。
※参考記事:アンカー初MVP!東洋大・大津、復路新の快走劇締めた(SANSPO.COM)


さて、解説の真似事はこのくらいにして、今回の本題です。

こないだあるネットの掲示板で、
「いろんなスポーツ中継があるけどマラソンが一番つまらない」という書き込みを見かけました。
しかも、その意見に対してけっこう多くの人が賛同していました。

まあ、確かに、その気持ちは分かる。
僕も、走るようになった今でこそ夢中で観戦してますが、以前は、
「点が入るわけでも逆転劇が頻繁に起こるわけでもないからつまらん」
「ただ走ってる人を延々映しているだけの画をどう見ればよいのか」
などと思ってましたから。

なので今回は、マラソンへの興味も競技の知識もゼロという状態から、
どうやれば箱根駅伝を楽しむことができるのか。
その方法を僕なりに考えてみたいと思います。

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方法1:「応援校」を見つける
これが一番手っ取り早いですね。
ひいきのチームが見つかれば自然と感情移入もできるはず。
じゃあどうやって応援校を見つければいいか。
自分の出身校を応援するというのが最も簡単ですが、出場するのはわずか20校ですから、
その中に自分の出身校が含まれている可能性は、普通に考えれば低い。

じゃあ僕はどうしているかというと、「キャンパスが家の近所」ということで、
東洋と帝京、それと大東文化大を応援してます。
(なので今年は東洋が優勝し、帝京・大東もシード権を獲得したので万々歳です)
あくまできっかけなので、自分じゃなくても友達や親戚に卒業生がいるとか、
あるいはもっとシンプルに「ユニフォームが好き」なんていう理由でもいいんじゃないでしょうか。
要は、漫然とレースを眺めるよりも
「視点を一か所に据える」ということをした方が楽しいんじゃないか、ということですね。


方法2:「好みの選手」を追う
1の「応援校を見つける」ということと本質は一緒です。
学校単位ではどうしても気に入ったチームが見つからないというのであれば、
「1区は●●選手、2区は□□選手」という風に気に入った選手を探しながら観戦するのも一つの手です。
いい顔してる選手、好みの顔をしている選手、
あるいは走ってるフォームがかっこいい選手(ちょっとマニアックか)とか、
とにかく第一印象で「この人!」と決めてその選手を追うと、俄然のめり込めます。
その際、1年生、2年生あたりの若い選手を選んだ方が、
来年、再来年も見られる可能性が高いので「お得」かもしれません。

ちなみに、毎年見ている人は分かると思うんですけど、
間違いなく学校によって「顔の系統」ってのがあります。これが不思議なんだよなあ。
例えば今回優勝した東洋は、今風の爽やかな「男子!」という感じの子が多いですね。
それと、最近急速に力をつけ始めている青山学院や、東海大なんかもわりと可愛い感じの子が多い。
逆に駒澤や日体大なんかは、いかにも「運動しか知りません!」みたいな武骨な子が多い。
ちなみに僕はどうしても後者の方に肩入れ(という表現は逆に失礼か)しちゃいます。

んで、話がだんだん脱線してくるんですけど、「BL」ってあるじゃないですか。
「ボーイズラブ」。いわゆる男性同士の恋を描いた漫画とかのことですね。
そんでですね、この学生駅伝っていう世界は、
BL的には極上の素材なんじゃないかと僕はずっと思ってるんですね。
だって、身に付けてるのはランニングと短パンだけだし、
そんな半裸みたいな格好で男の子たちが抱き合って泣いたりするんですよ。
しかも、長距離ってスポーツは、全員が惜しげもなく苦しい表情を晒しちゃう競技じゃないですか。
その苦しくて泣きそうな表情とか、好きな人にはたまらないと思うんだよなあ。


方法3:「小説」から入る
本を読むのが好きな人ならこの方法はアリです。
箱根駅伝を題材にした小説といえば、
堂場瞬一の『チーム』と三浦しをんの『風が強く吹いている』が双璧です。



『チーム』は「寄せ集め」と揶揄される学連選抜が、
『風が強く吹いている』はマラソン素人で結成された即席チームが、
それぞれ箱根駅伝での勝利を目指すというストーリー。
物語そのものもとても面白いのですが、
レース中の描写や選手同士の駆け引きなどは、かなりリアルに描き込まれています。
小説を読んでから実際のレースを見れば、「ただ走ってるだけ」と思っていた駅伝という競技が、
実はとてもドラマチックなものだと感じられるんじゃないでしょうか。

ちなみに、変わりダネとしてこんな小説もあります。

箱根駅伝を舞台にしたサスペンスで、レースを中継するテレビ局や中継車が物語のキーになります。
『チーム』、『風が強く吹いている』が「テレビに映る箱根駅伝」を知るためのものだとしたら、
『強奪 箱根駅伝』は「テレビに映らない箱根駅伝」を描いたものといえるかもしれません。
「イベントとしての箱根駅伝」の、その裏側を垣間見れる作品です。


方法4:「地図」を片手に観戦する
箱根駅伝は往路(108km)、復路(109.9km)合わせて217.9kmという、
駅伝としては他に類を見ない超長距離レースです。
それも、東京〜箱根という、都心も海も山もある、バラエティに富んだ景色の中を移動します。
そこで、箱根駅伝をレースとしてではなく、
選手の位置を追いながら一種の「バーチャル旅行」として楽しむというのが、
ややマニアックながらも、「通」的な観戦方法です。
最近は日テレの公式サイトが、
各選手の位置をリアルタイムで地図上に表示するというサービスを始めているので、
CMなどに邪魔されず東京から箱根までをエンドレスに追うことができます。

また、コースはおおむね東海道を辿るので、
沿道には史跡や名所が少なくありません。
なので、歴史が好きな人にはこの方法はおすすめですね。
※副読本としてこんなのもあります。



方法5:「名物」を楽しむ
最後は、かなりアクロバティックな楽しみ方です。
箱根駅伝というイベントには、本来の趣旨とはまるで関係ない、
けれど毎年期待してしまう「名物」というものがあります。
そうした「名物」を、レースそっちのけで追いかけるというのも、
それはそれで一つの楽しみ方かもしれません。
代表的なものを紹介します。

1. 瀬古利彦の珍解説
毎年第一中継車(先頭ランナーを中継する車)に乗り込みメイン解説を務める瀬古利彦。
自身も早稲田在籍時は花の2区を走り、卒業後も世界を舞台に活躍したレジェンド的ランナーですが、
解説者になると一転、

・母校の早稲田が勝つと上機嫌、負けると不機嫌
・見たまんましか言わない(「口が開いてきました」「汗をかいてますね」etc.)
・謎の発言(「勝負に負けた方が、負けるんです」「速くもないし遅くもないですね(←実際は区間新)」etc.)

などなど、異様な天然ぶりを発揮して、視聴者を混乱のるつぼに叩き込むのです。
twitterではレース開始前から「#瀬古黙れ」「#瀬古寝るな」「#瀬古元気出せよ」といったハッシュタグが現れ、
レース後は毎年まとめサイトに記事が作られます。
(今年もできてました→箱根駅伝の瀬古さん発言集
解説者としてはほとんどアテにならないんだけど、
なぜか憎めない、それどころか毎年何かを期待してしまう、愛すべき箱根の「名物」なのです

2. 二宮のフリーザ様
毎年復路において、二宮の中継ポイントに現れる、
『ドラゴンボール』のフリーザ様の格好をした謎の集団。
中継ポイントは必ずカメラに映るということを逆手に取り、
選手が通過するたびにフレームの端で集団芸を見せるこの「二宮のフリーザ様」は、
今や全国的に有名になりました。
他にも、毎年どこかに映る「○_○」という謎の旗や、函嶺洞門に必ず現れるリラックマなど、
「箱根名物」はいくつもあります。
僕はこういう「映りたがり屋」はあまり好きではないんですが、
二宮のフリーザ様だけは、ばっちり衣装を用意して毎年新ネタを仕込んでくるという、
うっかり「マジメ」と呼びたくなるような熱意(根本的な意味不明感は残りますが)を感じるので、
毎年見ちゃうんですよね。
※参考記事:【画像まとめ】2014年 今年も箱根駅伝にフリーザ様が降臨

3. 最後尾の自転車集団
テレビでは中継されないので、実際に行かないと見れないのですが、こういうのもあります。
※参考記事:【チャリで追走】テレビに映らない箱根駅伝の最後尾が凄い

これ、噂では聞いたことあったんですけど、記事読んだら予想以上にすごいことがわかりました。
自転車乗りにとっても箱根駅伝は一大イベントなんですねえ…。

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ということで5つ挙げてみました。
良かったらどれか試してみてください。
…ってあと1年チャンスはないんだけども。




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「箱根駅伝2013」を見て考えたこと

ちょっと時期が過ぎちゃいましたが、
今年の箱根駅伝について感想を書こうと思います。

優勝は日本体育大学。
昨年は学校史上最低の19位で、
しかも復路の8〜9区ではタスキがつながらないという「どん底」を味わった学校が、
わずか1年で頂点に上り詰めるという、
この上なくドラマチックな優勝劇でした。

日体大は予選会では1位通過でしたし、
上位に食い込む可能性は十分あると見られていましたが、
やはり総合力という点では、良く言っても「大穴」「ダークホース」的な存在に過ぎませんでした。
そんな日体大が、東洋や駒澤をはじめ並みいる強豪校を制してしまうなど、
誰が予想していたでしょうか。
(ちなみに僕は優勝は東洋だと思ってました)


大会後、いろいろな記事が各メディアに載りましたが、
僕が一番納得できたのは、「web Sportiva」に載ったこの記事でした。
【箱根駅伝】有力校に誤算続出。日体大30年ぶりVの要因は?

記事にも書いてあるように、
僕もテレビを見ていて「ううむ」と唸ったのが、日体大の「安定力」。
区間1位を取った選手こそ5区の服部くん(3年)だけだったものの、
最も悪い区間でも区間7位。あとは区間4位以上。
つまり、「10人・10区間で最後までブレがなかった」ことが最大の勝因と言えそうです。
優勝候補の東洋や駒澤は、区間によってブレが大きかったことと比べると、
日体大の安定したレース運びには、
昨年の優勝校・東洋が放っていたような「優勝者のオーラ」が漂っていたように思います。

では、日体大がこのまま来年も優勝候補最右翼になるかというと、
僕はそう簡単にはいかないんじゃないかと思います。
というのは、今年の日体大の強さの原動力になっていたのは、
昨年19位に沈んだという「悔しさ」だったと思うからです。
日体大は昨年の大会直後に異例の3年生主将を抜擢し、
練習だけでなく寮での生活のレベルから見直すなど、
徹底的な「改革」を実践したそうです。
このことが、今回の勝因である「安定力」につながったわけですが、
そこまでドラスティックに生まれ変われたのも、
「もう後がない」という背水の陣的な危機感が共有されていたからでしょう。
挑戦者として過ごした昨年とは打って変わり、
優勝校として過ごす今年1年を、どれだけ高いモチベーションで臨めるか。
これはけっこう難しいことなんじゃないかなあと思います。
(日体大の別府監督自身も「連覇?そんなのムリ!」と言ってました(笑))

でも、日体大の選手たちは、
インタビューに答える様子とかが朴訥としていて、
とても可愛いですね(笑)。
それに比べると、昨年の東洋大のメンツの、なんと都会的なことか!
テレビに出て萎縮するどころか、笑いを取ってましたからね!
あくまで僕個人のイメージの話ですけど、
日体大は「昔ながらのスポーツ学生」的雰囲気を残す最後の大学という気がします。

それにしても、今大会ほど「学生スポーツ」ということを感じた大会はなかったかもしれません。
言わずもがな、今年は箱根史上最大のスター・柏原竜二がいませんでした。
彼がいた4年間(正確に言えば2年生以降の3年間)は、
各校はとにかく柏原を何とかしなきゃいけないということで、
彼の存在を前提にした戦略を取らざるをえませんでした。
まさに、彼が引っ掻き回し続けた4年間でした。

その柏原が、卒業しました。
どれだけ強い選手でも、「卒業」という運命からは逃れることができないのが、
学生スポーツの残酷さ(面白さ)ですね。
当然、東洋は柏原が抜けた穴を埋めなければならない。
(後を継いだ5区・定形くん(3年)には拍手を贈りたい!重圧は凄かったろうに……)
逆に他校は、重しが取れて自由な戦略を取れるようになる。
駒澤が、過去2年間は復路に起用していたエース・窪田くん(3年)を、
今年初めて2区に起用したのは象徴的でした。

もっとも、今大会は強い向かい風などもあり、
各校が練りに練った戦略はあまり奏功しませんでした。
その点でも、「優勝しようと思うな!」「自分の走りに集中しろ!」という、
挑戦者ゆえの控えめなポリシーを貫いた日体大の方に、
逆に分があったのでしょうね。


さて、優勝は日体大でしたが、
2強とされた東洋・駒澤はさすがの2位、3位。
そして4位に食い込んだ帝京や、
何度も快走を見せた明治、
昨年出雲駅伝を制して急速に力をつけてきている青学、
粘りに粘ってシード権を獲得した法政など、
中堅校の台頭には目を見張るものがあります。
また、途中棄権により28年間続いてきたシード権獲得を逃した古豪・中央大学も、
今年の日体大がそうだったように、
悔しさをバネにして来年一気に上位に食い込む可能性もあるでしょう。

群雄割拠、混戦必至の「ポスト柏原時代」の始まりを告げる、
非常に見ごたえのある2013年箱根駅伝でした。


※「NAVERまとめ」に箱根駅伝絡みの面白い記事がありました。
ジョジョ立ち、フリーザ様…今年も色々あった箱根駅伝を振り返る
【明日俺が巻き返す】2013箱根駅伝 中央大学・代田修平のツイートが泣ける【心の襷はつながってる】





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