kiss-alive

最高の「地獄」を
見てきたぞ!


中学・高校の頃、MTVの「Classic MTV」という番組をよく見ていました。
60〜80年代の古いヒット曲のビデオばかりを流す30分番組で、
YouTubeなどなかった当時、
僕にとってはロック/ポップスの歴史を知ることのできる貴重な情報源だったのですが、
中でも強烈に印象的だったのが、Devoの「Satisfaction」とPoliceの「I Can't Stand Losing You」、
そしてKISSの「I was made for Lovin' You」でした。

白塗りのメイクにギラギラの衣装、電飾が埋め込まれたレスポール。
ボヤッとした古い映像の質感と相まって強烈な「キワモノ感」が画面全体から漂ってくるのですが、
曲そのものは耽美というかすごくポップで、
ボーカルもがなったり叫んだりせず、思い切りロマンティックに歌う。
「すごいヘンだけど気になるバンド」というのが、僕のKISSの第一印象でした。

あれから約20年。
僕は生まれて初めて生のKISSのステージを見に行きました。
「KISS MONSTER JAPAN TOUR」と題された武道館公演初日です。

正直、「7年ぶりの来日だし、次いつ来るかわからないから記念に見ておく」
という動機だけでチケットを買ったのですが、
いざ見終わった後は、ほとんどボーゼンとした足取りで武道館を出ました。
もうね、めちゃくちゃ楽しかったです。最高でした。

宙づり(!)の巨大スピーカーから放たれる爆音。
そしてその音に合わせて何度も上がる火花。
巨大な舞台装置を使って宙を舞うメンバー。
冒頭からアンコールまで、ド派手な仕掛けが「これでもか!」というくらいに続きます。
かつて僕が「Classic MTV」で度胆を抜かれたように、
もともとKISSというバンド自体が「地獄」や「悪魔」といった演劇的・ショー的な世界観を持っていますが、
ライヴはさらにそれを拡大した、エンターテインメントの極致と呼べるものでした。

しかも彼らは今年で結成40周年。
40年間(おそらく)同じようなことをやっているのでしょうから、
一つひとつのアクションや演出が、これ以上ないというほど完成されています。
ジーン・シモンズ(Ba)の火吹きや血吐きなんて、
もはや一種の「芸」と呼ぶべき域に達しています(実際「芸」なんですけどね…)。

しかしそうした派手な演出の一方で、例えばジーン・シモンズは血を吐いた後、
日本語で「チョットマッテネ」と言って水を飲んだり、
ポール・スタンレー(Vo)がいきなりアカペラで「上を向いて歩こう」を歌いだしたりと、
あえて「抜け」を作るような構成や間の取り方も実に上手い。

何より素晴らしいなあと思ったのは、
40年間もやっていながらマンネリになっていないことです。
セットリストも演出も、全ては定番化・パッケージ化しているはずなのに、
メンバーは未だにそれを楽しんでいるように見えました。
客席も、おそらくこれまで何度もKISSを見てきたであろう年齢層の高い「ベテラン」揃いなのに、
(僕の隣はトミー(Gt)のフェイスメイクをした外人のおばさんでした!)
むしろその定番化した世界観を積極的に楽しんでいる。
そうした客席との一体感も含めて、全てが完成されているなあと感動しました。


さて、そんなKISSですが、デビュー当初は思うようにセールスが伸びず、
(意外にも)苦労時代が続きました。
そんな状況を打破した出世作が、75年にリリースされた2枚組のライヴアルバム『ALIVE!』です。
最初にヒットしたのがライヴアルバムだったというところが、
KISSというバンドの本質を表しているようで、とても象徴的ですね。
ただ、実際にライヴを見終わった今、このアルバムを聴いても、なんだか物足りません。
いかにKISSのライヴが、聴覚だけではなく全身をフルに使って味わう「ショー」だったのかを実感します。

ライヴの途中、ポール・スタンレーが「来年も来るよ!」と言ってたんですけど、ホントなのかな。
当初は「記念に見とく」だけのつもりだったのに、
今では「来年も絶対行く!」と考えている自分がいます。


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アンコールの<Detroit Rock City>、<I was made for Lovin' You>、そして<Rock And Roll All Nite>という流れは、
分かっていながらもエキサイトして大声で歌っちゃいました。












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