2013年夏のランニング練習日誌。
7〜9月までの3か月を振り返って。

■ 7月 「故障」、再び

5月の連休明けに右ひざに痛みが走り、「故障か?!」と慌てたものの、結局1週間ほどで回復し、
「いやあ、いい教訓になったなあ」などと胸をなでおろした矢先の6月下旬、
再び故障しました。
今度は左の腿裏。いわゆるハムストリングという、
ランナーが最も怪我をしやすい箇所の一つをやっちまいました。

症状としては強い張りが何日も続く状態で、
厳密に言えば故障というよりも「故障一歩手前」なんだけど、
体感的には5月の時よりも「故障している感」が強い!
走るのはもちろん、階段を上る・下りる、椅子から立ち上がるといった日常的な動作でも
左の腿裏がピキキッ!となります。

お世話になっている整骨医に聞いたら、たった一言。
「休みなさい」

ついに言われてしまった…。
走り始めてからこの2年弱、ごく初期を除いて、
どんなに間を空けても中3日のペースで走り続けてきました。
(今年に入ってからは平均週4ペース)
もちろん走るのが楽しいというそもそもの理由もあるのですが、
それ以上に「休んだら衰えてしまう」という強迫観念めいた思いが、
雨の日でも走ってしまうほど、休むことを頑なに忌避させ続けてきたのでした。

特に僕の場合、元々は長距離が大の苦手だった人間なので
せっかく蓄積した体力と筋力を手放すことがほとんど恐怖なのです。
しかも、休まないといけない時に限って、
「1日休むと2日分の筋肉が失われる」だとか、
「1週間走らないと持久力はゼロになる」だとか、
そういう言葉ばっかりネットや本で目にしちゃうんですよね。

だから今回も、所詮はただの筋肉の張りなんだから、
なんとかごまかしながら走り続けてしまおうと考えていました。
しかし、整骨医に「今の状態は肉離れの一歩手前で、
油断すると本当に怪我をする。甘く見るな。」と、クールに言い放たれ、
結局僕は腹をくくって休むことにしました。

休んだのは7月前半の約2週間ほど。
幸い、天気が悪い日が多かったので、それが多少なりとも免罪符になりました。
(とはいえ、結局完全ランオフにはできず2週間の間に2〜3回、距離にして5〜10キロは走ったんですが…)

こんなに走らないのは、ランニングを始めた頃以来のことです。
おかげで左腿裏の張りは、ゼロにはならなかったものの、かなり軽くなりました。

春に立てた、来年の「東海道ラン」に向けての練習計画では、
今頃30km超のロング走をバシバシやっているはずだったのですが、
5月に続いて7月のこの故障で全く予定通りにいってません。
こういう予定通りにいかないところもランニングは人生の縮図なのだなあ。
などと巨視的にしみじみして空回りするモチベーションを慰めていた7月でした。

【7月の走行距離:168.3km】



■ 8月 夏のランは「命に関わる」

思えば、ランナーとして迎える夏というのは、実質的には今年が初めてかもしれません。
走り始めたのは一昨年の9月で夏のピークは過ぎた頃だったし、
去年の夏は劇団の公演があったから忙しくてあまり走りませんでした。
だから、今年になってようやく僕はちゃんとした「夏ラン」を体験することになったのです。

初めての、夏の日差しの下でのランニング。
それは、想像していた以上に過酷でした。
ものの1〜2kmで汗が噴き出し、
水分をいくら飲んでも喉は潤わず、
5kmも走ると全身がまるで溶けた鉄のように熱く、重くなり、
なんとか立て直そうと必死で息を吸い込んでも、
肺に入ってくるのはサウナの霧のように粘っこく湿った熱い空気。
やがてこめかみに鈍い痛みがうずき始める頃になると、
こんな暑い中を走り始めた自分を心の底から呪い始めるのです。

夏走ると、死ぬ。
これが1回目の「夏ラン」で僕が悟ったことです。
そして僕は知りました。
ランナーに四季はない。
あるのは「夏」と「夏以外」だけなのです。

夏ランデビューを絶望的な気分で終えた僕は、
ネットでいろんな市民ランナーさんのブログを読みまくりました。
そこで知ったのは「暑熱順化」という言葉。
文字通り、暑さに身体を慣らす、という意味です。
人間は夏になると、自然と体温を上がりにくくしたり、
汗に混じるナトリウム分を減らして血液濃度が高くならないようにしたりと、
肉体を「夏仕様」に作り替えるんだそうです(すげえ!)。
通常、暑くなってから1〜2週間程度をかけてゆっくりと順化が行われるそうですが、
ランナーの場合、練習メニューの調整や摂取する水分量の調節によって、
意識的に暑熱順化をする必要があるらしいのです。
なるほど!

とはいえ、暑熱順化のための特別なトレーニングがあるわけではなく、
意識的に「汗をしっかりかく」ことが重要なのだそう。
運動でなくても、例えばクーラーを使わずに屋内にいるだけでもいいらしいです。
なにも、死ぬか生きるかの覚悟で炎天下に飛びこむ必要はないみたい。
だから結論としては、僕の場合、通常走ってるよりも気持ち少な目の距離を、
水分をこまめに取りながらこなせばいいんじゃないかと。

ただし、携帯する飲み物には気を付けました。
スポーツ飲料は大きく分けて2つの種類があります。
一つは、浸透圧が体液と同じ「アイソトニック飲料」(ポカリスエット、アクエリアスなど)。
もう一つは、浸透圧が体液よりも低い「ハイポトニック飲料」(アミノバイタル、VAAMウォーターなど)。
運動中は血液中に含まれる糖分などが低下するため、
浸透圧の低いハイポトニック飲料の方が、より体に吸収されやすいそうです。
なので僕は、ハイポトニック飲料のVAAMウォーターを水で薄めたものを携帯するようにしたのです。
ちなみに夏季の運動で成人が1時間に失う水分は約1.5リットル(!)。
僕の使っているボトルホルダーは500ml用なので、
1時間以上走る場合は途中コンビニや自販機でスポーツドリンクと水の2つを買って、
その場で混ぜ合わせて薄めながら補充しました。

んで、以上の「暑熱順化」を実践した結果、どうなったか。
正直、7月の後半は比較的涼しかったので、
8月前半に再び猛暑が襲いかかってきたときには若干苦労しました。
とはいえ、最初に走った時よりは身体が慣れている実感がありました。
7月半ばに初めて炎天下で走ったときは、
流れ出る汗と共に体力そのものが身体の外に漏れていくような感覚がありましたが、
8月には、そのようなことはなくなりました。

一方で、最後まで乗り越えられなかったのは、スピードでした。
夏はほんっとうに、スピードが出せない!
僕、今年の6月くらいまでは、
10km以下ならキロ5分強、20km前後走る場合でも平均でキロ5分30〜40秒で走ってたのですが、
7〜8月はキロ6分がやっとでした。
これはショックでした…。
多くのランナーが「夏はスピードが出ない」と言っているから、
僕が遅くなったのも単に夏だけの一時的なものだと頭では理解できるものの、
自分的には限界近い力で走っているのに、
GPSを見たら「6:10/km」と表示されていた瞬間の、あの敗北感。
別にスピード目的で走ってるわけではないのに、
いざデジタルに数字が落ちたのを目の当たりにすると、正直不安になります。
このまま秋になっても冬になっても遅いままだったらどうしようと考えながら8月を乗り切りました。
(こういう風に考えちゃうからいつまで経っても腿裏の張りが取れねえんだよなあ)

【8月の走行距離:185.6km】



■ 9月 ついに「ロング走」本格開始

夏の暑さに翻弄されつつも、
8月はなんとか目標だった月間180kmを達成。
(本当は200km予定だったのですが雨のせいで届きませんでした)
嬉しかったのは、8月に2回、久々の30km走ができたことでした。

2度とも、最寄駅から始発に乗って適当なところで降りて、
そこから自宅まで(1度目はお盆の帰省で実家まで)走りました。
両日ともに朝から30℃超で、コンディション的にはだいぶ厳しかったですが、
(10kmごとに靴下を取り換えなければいけないほど汗をかきました)
普段とは違う場所を走るのは新鮮で楽しかったです。

こういう、ロング走を兼ねた「プチ旅ラン」は、
本当は今年のGWあたりから始める予定だったのですが、
故障したり気分が乗りきらなかったりで、ズルズルと8月まで延びてしまっていたのでした。
どうせなら涼しい秋まで延期すればよかったと思わなくもないのですが、
最も過酷な季節を最初に体験しといたので、後はきっと楽(なはず)。
ということで、9月は8月よりもさらに距離を伸ばして、40km走に挑みました。

35km以上の距離を走るのは、今年の3月以来約半年ぶり。
始発で横浜まで行って、そこから池袋まで走りました。
横浜駅からは箱根駅伝の復路(国道15号)を約20km、
目黒川に当たったところで左折して川沿いを渋谷まで約10km、
最後は代々木公園〜甲州街道〜明治通りを10km、というコースでした。

まあ、結論としては、キツイです。
スピードを出さずにかなりゆっくり走っているのですが、それでもキツイ。
ただ、矛盾しているようですが、
30km超の長距離でも、一回だけ走る分には、楽なのです。
次の日は軽めにして身体を休められるし、
キツくなっても「あと○○kmで終わりだ!後はシャワー浴びてビール飲んで寝る!」などと考えて、
疲労や痛みをごまかすことができます。

問題は、僕の目標はあくまで「東海道ラン」なので、
ゆくゆくは3日間くらい連続で40km前後を走らなければならないことです。
だから、スピードや、「いかにストップせずに走りきれるか」という持久力よりも、
1日寝れば元気になれる回復力や、
無駄な体力ロスを極限まで軽減できる効率性が重要になってくるのです。
だから本当は、30km走ったら次の日も30km走る、みたいな練習をしなくちゃいけないんですけど、
今んとこやる気なし(笑)。
2日以上のセット練習は来年からやります。
今年はやらん!

あと、地味に問題なのが、荷物。
本番は数日間は家に帰れないので着替えとか携帯の充電器とか
いろいろ持って走らなくちゃいけません。
今も会社から帰宅ランをするときなどはランニング用のザックを背負って走ってるのですが、
本番の東海道ランでは、軽く見積もっても倍の荷物になるでしょう。
ゆくゆくは、この荷物問題についてもシミュレーションもしていかなければいけません。

月間走行距離はプチ故障のあった7月には160km台にまで落ちたものの、
8月には185kmまで回復し、9月はおそらく200kmを達成できる予定です。
(僕にしては)順調に距離を踏めています。
でも、嬉しいのは距離のことよりも、
同じくらいの距離を走っていた今年の春と比べて、身体に疲労が溜まっていないことです。
理由は多分、スピードを落とした(暑くて落とさざるをえなかった)ことと、
それと休養が前よりも少し上手になったことだと思います。
「休養力」の向上は東海道ランの本番に直結するテクニックなので、達成感ありますねえ。

【9月の走行距離(26日時点):183.0km】




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